九州八十八ヶ所霊場 世界平和祈願結願大法要

平成16年10月4日(月)・5日(火)
九州88ヶ所霊場会(当院は82番札所)では、弘法大師が唐に渡られて1200年及び霊場会開創20周年を記念して「世界平和を祈る」ことを目的とした記念事業に取り組んでまいりました。
昨年2月、新に修行大師様をお造りし、インド、中国、日本の三国にお連れし、平和の祈りを捧げ、各地で「平和の火」を採火してまいりました。
本年1月8日「世界平和祈願・祈りの巡拝」が1番福岡市東長寺様を出発、各札所に修行大師様と「三国請来平和の火」がお祀りされ、世界平和の祈願が営まれ、去る7月9日88番宗像市鎮国寺様に到着、約半年をかけた祈りの巡拝も無事終了しました。なお当院では6月27日約200名の方が参加され世界平和祈願法要を営み、翌28日には多数の皆様の参加で83番誓願寺様まで平和の祈りの行脚を行いました。
この記念行事の最後を飾る世界平和祈願結願大法要が、「1200年の時を超え、今私達に出来ること・萬人の祈り」をテーマに去る10月4、5の両日、鎮国寺様に於いて営なまれましたが、約5000名の方々が集い、平和の祈りが捧げられました。
4日の前夜祭は午後3時から大般若転読法要が営まれた後に本年3月8日から5月21日まで、ギターを抱え約2500キロを徒歩で巡拝した吟遊詩人眞柄征侑氏による平和の祈りのコンサートが行なわれました。
翌5日の結願大法要では、午前9時30分、弘法大師が唐より帰国後参拝した宗像大社に参拝、~前で読経を行い、1200年前の弘法大師の唐に渡られる際の加護と記念事業の成就に対して謝念を表しました。10時30分より結願法要を営んだ後、伊勢木会長様が「平和の火を海外から持ち帰られる時、大変ご苦労されたと聞いております。一番札所東長寺に始まった世界平和の祈りが今日結願を迎えました。札所の方々の努力と多くの皆様の祈りと願いで結願を迎え本当に有り難く思います。今後も世界平和を祈り続けて下さい」と挨拶。午後一時からは、最後の法要である柴燈大護摩法要が営まれました。先ず護摩堂前で各札所ご住職が平和の火から分灯した五色のキャンドルを手に読経、護摩道場まで進列の後に献灯、原口実行20周年記念事業実行委員長が「インド、中国、高野山と三国から平和の祈りの火を迎え、一ヶ所、一ヶ所各札所で平和が祈られ今日の結願を迎えました。世界平和への願いが弘法大師と仏様の加護により成就することを祈りたいと思います」と挨拶。護摩壇に平和の火より点火、天高く白煙が舞い上がる中、平和への祈りが捧げられ、最後に火渡りが行なわれて全行事を終了しました。
当院の関係の方々も多数参加されましたこと厚く御礼申し上げます。最高齢の方は結婚後直ぐに戦地でご主人を亡くされた85歳の井上さんでした。平和を願い法要中に至心に祈られている姿には、感動いたしました。
法要で読まれました願文(願いの言葉)の一部を最後にご紹介しますが、平和の意味を改めて考えていただきたいと思います。
「本日ここに各札所住職出仕のもと、檀信徒多数参集し「世界平和祈願結願大法要・1200年の時を超え、今私達に出来ること、萬人の祈り」を厳修するものなり思うに戦争の世紀と言われた20世紀を経て、平和の世紀であるべき21世紀もまた国家間の戦争から民族紛争へと姿は変えつつも戦争は絶えず、特に9.11同時多発テロ以来、アフガン、イラクそして世界各地でテロが発生。無辜の人々を殺傷し、悲しみの底に落としいれ報復のテロへとの連鎖は止まることなく、悲劇と惨劇を見るに至っては宗祖大師の嘆きはもとより人々の艱苦これに過ぎたるはなし。今ここに、戦争で犠牲になりし人々の菩提を祈ると共に戦争の終結とかけがえなき地球全体の恒久平和を祈るものなり。仰ぎ願わくば、宗祖弘法大師、各札所ご本尊、萬人の祈りを納受し永遠の世界平和を垂れ給わんことを」